Q.担当している授業を教えてください。
国家資格である一級自動車整備士の資格取得を目的とした授業で、実習と学科を担当しています。4年をかけて学びますが、最初の2年間で整備士の基礎を学び、国家二級自動車整備士の技術と知識を習得します。その後の2年間で、最新の自動車に使われている技術に関することから、故障・トラブルに対する整備の知識と技術を教え、自動車整備のプロフェッショナルを育てるための指導をしています。
Q.現在の専門分野を目指したきっかけは?
高校時代にエンジンのついた乗りものに乗りたくて、中古の安い原付バイクを手に入れて乗っていました。しかし、故障による不調で走ることができなくなってしまいました。そのとき、偶然にも自分で不具合を見つけ、修理することができたのです。そのときの達成感や悩みがなくなった爽快感が、この道に進むきっかけになりました。
Q.学生に教えるうえで心がけていることを教えてください。
自動車の勉強には、工業分野の知識が必要になりますが、本校には高校の普通科出身の学生もたくさんいます。ですから、聞き慣れない部品や工具の名前などはわかりやすいように実物と照らし合わせながら勉強したり、実習の際は、私が整備士として働いた経験談を交えたりしながら、お客様の車の取り扱い方、整備の必要性を説明しています。
Q.印象に残っているエピソードを教えてください。
教員になって間もないときに、趣味で、SUGOサーキットで開かれたイベントのレースに出場したことがありました。偶然、そのレースを学生が見学に来ており、ピットにいる私を見つけて「何で先生がここにいるの!?」、「どうしたらサーキットを走れる?」などと、驚いた様子で質問してきました。後日、学校のモータースポーツクラブの活動として、学生と一緒にSUGOサーキットを走る活動を行うようになりました。今では、ヤリスカップのピットクルーやレンタルカートのレース出場など、車好きの学生が活躍できる場が広がっています。
Q.これから専門学校を目指す高校生に
アドバイスをお願いします。
車が好きな人には、車の専門学校の環境はぴったりだと思います。学校には車やバイクが大好きな人たちが集まっており、レース、ドレスアップ、ドリフト、オフロードなど、興味もさまざまな分野に分かれているので、きっと気の合う仲間を見つけられるでしょう。
また、自動車の整備はインターネットなどで手法が公開されていますが、それらは必ずしも安全で確実であるとは限りません。自己流の整備で命にかかわるケガをしてしまうこともあります。自動車整備の学校で、安全・正確、確実な整備手法を学び、カッコいいメカニックを目指しましょう。親の車が故障したときも修理をしてあげられますので、親孝行もできますよ。
上杉 裕紀(うえすぎ ひろのり)先生
一級自動車科 *2024年4月時点