Q.先生の専門分野・担当授業の内容を教えてください。
主に3つの授業にて指導を行っています。一つ目は「ホテルビジネス実務検定試験対策」。多岐にわたるホテルの実務を分野ごとに分け、資格の取得を目指します。
二つ目は宿泊システム「GLOVIA(グロービア)」実習です。ホテルシステムとよく言われているのですが、パソコンを使用した予約やチェックインなどを行う管理システムのことで、操作方法を学ぶことができます。
三つ目はホテルマネジメント・ホテルマーケティング・ホテルセールスについて指導しています。ホテルの商品を企画・販売・宣伝する方法を考える授業です。宿泊者のデータを分析し、季節によって食事を変えたり、どんな商品名なら目に留めてもらえるか考えたり、どう売り上げを作って行けば良いのかを教えています。
Q.現在の専門分野を目指したきっかけ、それに対する想いなどを教えてください。
元々は体育教師として幼稚園で働いていたので、今とは全く違う分野の仕事をしていました。ホテル内にあるトレーニング施設のトレーナーの募集に応募したことが、ホテルの世界に入るきっかけとなりました。初めての接客対応に戸惑いながらも働くうちに、ホテルスタッフとして広報業務も任せられるようになりました。 その後、東日本大震災の翌年に教員として働くことになりました。福島のホテルで「GLOVIA」を導入した際に私が担当をしていたのですが、本校にシステムを導入することになった際に、指導する人が必要だということでお声がけいただきました。 これからホテルスタッフを目指す人達に、自分の経験を伝えておくことで、実際にホテルで楽しく働くことができると思っています。
ホテル実習室では、実際の環境を想定した授業を実施しています。
Q.学生に教えるうえで、心がけていることや大切にしていることを教えてください。
分からないことを「分かる」に変えていくことです。分かったふりをしてやり過ごし、そのままにしては自分のためになりません。そして、生徒一人一人としっかりコミュニケーションをとるように心がけています。
また、大切なお客様をお迎えする際に、いかに自分たちがチームワークを発揮し、ポジティブでいられるかが大事になります。できるだけ自分の失敗談を話して、大勢のスタッフとのコミュニケーションの難しさを伝えています。生徒には同じ失敗を繰り返してほしくないと思っています。
Q.教員になってから、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
ある日、近所のスーパーで買物をしている際に、視線を感じたんです。若い男の子とお母さんがいて、男の子は満面の笑みでこちらを見ているではありませんか! その男の子は東京のホテルで働きはじめた卒業生だったのです。在学中はあまり積極的 ではなく、顔色もよくない様子だったので、いつも気にかけていました。 しかし、すっかりと元気になって、キラキラした目になっていました。「先生に会えてよかった。今すごく仕事が楽しい!」と楽しそうに仕事の話をする姿を見て、とても嬉しく、感動しました。
Q.これからこの専門学校を目指す高校生にアドバイスがあればお願いします。
ホテルで働くことは、自分を磨くことに直結しています。単純に技術やマナーを習得するだけでなく、スタッフはもちろん、 お各様とのコミュニケーションによって人間力が高くなります。自分の描くかっこいい大人へのステップにしていきましょう。
佐久間 順子(サクマ ジュンコ) 先生
国際ホテル学科