Q.担当している授業の内容を教えてください。
私たちが日常で着用している衣服を、布の状態から衣服にする専門技術や知識を学ぶ服飾造形、布を裁断し、形にするための型紙を製図するパターンメーキング、そして実際に購入する製品がどのような流れで生産されているのかを学ぶアパレル生産技術の授業で技術指導のサポートをしています。
Q.現在の専門分野を目指したきっかけは?
学生の頃からファッションが好きで、古着などをリメイクして楽しんでいました。衣服を解体してみたりもしたのですが、新品と古着とではパターン(型紙)の形状などが異なっているものが多いことに気がついたのです。シルエットやデザインだけでなく、衣服の構造をもっと知りたい、1から自分で作ってみたいと思い、ファッションの道を志しました。
Q.学生に教える上で心がけていることを教えてください。
学生の固定概念にとらわれない自由な発想で、デザインを二次元の絵型(衣服の形状や仕様が正確にわかるように書いたデザイン画)から三次元の衣服にする過程に寄り添い、導きながらさまざまな提案ができるように努めています。衣服作りにはいろいろな手法があり、明確な正解はありません。しかし先代の技術者から脈々と受け継がれている技術や知識、そして実物から伝わる“細かな手加減を要する技術”というものもあります。基礎力をしっかりと鍛えながら、ファッション界の未来を担うプロフェショナルに成長し、活躍してもらえるよう「わからない」が解決できるまで、とことん共に取り組むことを大切にしています。
Q.印象に残っているエピソードを教えてください。
入学当初、針に糸を通すことから学んでいた学生が、1年も経たないうちに自由にもの作りを楽しんでおり、「こんなデザインを考えたんです。こんな風に作ってみようと思うのですが、どうでしょうか」と尋ねてくる学生も多くいるんですよ。学生にとっての1日の濃度は濃く、日々の成長が作品に表れるので、私自身も刺激をもらっていますし、勉強になることばかりです。
Q.これから専門学校を目指す高校生にアドバイスをお願いします。
自分の「好き」とずっと寄り添い、歩いていくための最初の一歩が専門的な技術や知識を学ぶことだと思います。広い視野をもち、さまざまなファッションを見ると新たな発見もあります。今はまだ「好き」なものが漠然としていて、「これから自分はどうなりたいのか」と悩んでいる方もいるかも知れません。でも、その「好き」を形にする出会いがきっとあります。無限大の可能性に挑戦する皆さんを本校は全力で支えます。キラキラとした夢をもち、踏み出そうとする皆さんとお会いできたら嬉しいです。一緒に歩き出しましょう。
石川 優希(イシカワ ユウキ)先生
デザイン造形学科